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2005年12月23日 (金)

会ニュースNO.43

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大津市平和・無防備都市条例実現へ!
大津市民の会ニュース   05/12/22 NO.43
(連絡先:〒520-0043 大津市中央4-1-14 ℡/FAX077-522-9898  会携帯090-7763-6507)
メール:muboubi-shiga@mbp.nifty.com 
ホームページ: http://muboubi-shiga.way-nifty.com/otsu/
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 12/22市議会本会議(賛成7退場1反対28)条例案否決
傍聴のべ60人  平和・無防備都市条例制定へご協力ありがとうございました。
戦争協力の国民保護計画に反対し、市民の平和的生存権実現へさらに奮闘します

 12月22日(木)に、市議会本会議が開催され、無防備条例は賛成7人退場1人反28人で否決となりました。
 私たちの条例実現という目的は残念ながら達成することはできませんでした。しかし
、軍隊のない地域と平和的生存権を実現するために条例請求という市民から提案し力を
結集することができました。法定数の2.6倍の署名数は、市民の平和意識を大きく呼び
起こしました。その声に支えられ、議会では大津市議会史上初の直接請求による市民の
意見陳述が行われ、市議会本会議場に「平和の風」を吹かせました。
 自衛隊を第一義的とし市民の平和と安全は二の次とする市長も「市民の平和への熱意
を理解」と表明し、また傍聴にはのべ60人の市民がかけつけ、市議会議員のほとんど
が傍聴した総務常任委員会でも市当局は「平和事業の充実」「(平和施策での)自治体間
の連携」を表明しました。12,312人の市民の声を否定した市議会と市当局には、
それを上回る平和事業と市民の平和的生存権実現のための責務が生じました。
 この運動はまた、地方自治と住民主権を拡充する取り組みでもあり、「市は国を向い
て仕事をしており、市民を見ていない」「市民の目線で考える議員があまりにも少ない
」と多くの市民が今後も市議会の市民監視の必要性を感じました。
 今後、市民の会は、この四ヶ月にわたる運動の概要をまとめ、条例制定運動としては
整理をしたうえで、無防備地域宣言実現へむけた取り組みを継続して行っていきます。
ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。以下、本会議討論要旨。(
本会議では2会派のみ)

政新会(園田議員)署名は一定の評価をするが①条例は法令(地方自治法、国民保護法
、自衛隊法等)に反する②地方公共団体は宣言できない③この条例で安全を保障できな
い(条約不参加国 アフガンでの病院攻撃等米軍の蛮行)ので反対。
共産党(八木議員)条例は自治権、条例制定権の範囲内であり、ジュネーブ条約からし
ても地方公共団体が制定することを妨げていず、政府は宣言を承認しなければならない
。市民の平和と安全を守るため条例の制定を。

※政新会園田議員の①②については、条例案とジュネーブ諸条約の自国民保護の意図的
無理解によるものですが、③については、ジュネーブ条約に違反する米軍の蛮行を「こ
れが現実」と免罪し正当化した上で、条約違反者を処罰し国際人道法による法の支配を
通じて世界・地域の平和と安全を確保しようとする取り組みを切り捨てる本末転倒かつ
法秩序の破壊と住民殺戮を容認する犯罪者の論理にすぎません。

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政新会・園田議員 本会議で暴言撤回せず さらに侮辱発言
   12/20申し入れ 12/22本会議終了後にも再度政新会へ申し入れ 

園田寛議員は、22日本会議でも政新会を代表して条例に反対する討論を行いました。
その際、総務常任委員会での「無防備地域を攻撃したい」という発言の謝罪はせず、さ
らに「平和という言葉で思わず署名した人もいるのではないか」と直接請求署名そのも
のを侮辱するような発言をしました。会として、20日の発言撤回の要請に続き、本会
議終了後政新会幹事長に再度会派として見解を明らかにするよう申し入れました。政新
会は「要請文書は配布している。これから会派として検討する」(堀井副幹事長)と応え
ました。会として、発言の撤回と謝罪を求めていきます。
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◎園田議員発言を撤回させよう!
ハガキ・手紙「〒520-8575大津市役所議会事務局気付    ファクス 077-521-0
409(大津市議会事務局)
大津市ホームページ市民の声 http://www.city.otsu.shiga.jp/voice/index.htm

☆☆☆無防備地域宣言を実現するつどいにご参加を!☆☆☆
12月23日(金)14時~ 明日都浜大津4階小会議室
基調 条例制定運動の概括と今後の取り組み
報告 (仮題)国民保護法は対テロ戦を支える戦争体制づくり
        ~福井国民保護実働訓練から~ 桝田氏(全国ネット)

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2005年12月19日 (月)

会ニュースNO42

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 大津市平和・無防備都市条例実現へ!
大津市民の会ニュース   05/12/19 NO.42
(連絡先:〒520-0043 大津市中央4-1-14 ℡/FAX077-522-9898  会携帯090-7763-6507)
メール:muboubi-shiga@mbp.nifty.com 
ホームページ: http://muboubi-shiga.way-nifty.com/otsu/
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 12/19市議会総務常任委員会 条例案を否決
ジュネーブ条約の文民保護の主旨を無視し、主体的判断を放棄した市当局

 12月19日(月)に、市議会総務常任委員会において午前10時から正午まで2時間「大津市平和・無防備都市条例案」の審議が行われ、条例案賛成者少数(9名中2名)のため総務常任委員会では否決となりました。
市当局の答弁は、①国の見解から地方公共団体は無防備地域宣言をできない。国防に一定の制限を加えることはできない②地方自治法に抵触する、をかたくなに繰り返すのみで、市民の平和と安全を守るための市としての主体的判断を一切回避しました。一方、「(有事の際)国民保護法・武力攻撃事態法に基づき、国と協力する対処義務を負っている」と戦争のための有事法制は忠実に遂行することを表明しています。「自治体が宣言できる困難な状況とは無政府状態であり、その場合は通告すべき相手がいないので、自治体が宣言をするのは不可能」「ジュネーブ諸条約は国と国との取り決め」などジュネーブ条約第一追加議定書の自国民保護を定めた主旨を意図的に無視した発言をしています。さらに、大和市の住民基本条例については「各自治体が判断するもの」とし、非核神戸方式については「法律的にはとうてい有効とは言えない」と切り捨て、自衛隊について「軍隊であるか否かは判断を差し控えるが、その機能は持っている」としました。委員会での議員と市当局のやり取りなど詳しい審議内容は後日まとめてお知らせします。以下、各会派の意見の概要。

政新会(園田議員)①条例の有用性・効果がない。ジュネーブ条約は守られていない②地方公共団体は宣言できない③条例は法令(地方自治法、国民保護法、自衛隊法等)に反するので反対。
市民ネット21(安田議員)それぞれの議員の思いを大切にしたい。攻められた時は助け合い協力すべき。条例に反対。
市民ネット21(清水議員)賛成。自治体としての主体性を持ち、平時から平和を作り古都大津の文化財を守り、121,312人の思いを受け止め世界へ日本へ平和を発信するために条例制定がスタートである。
公明党(高橋議員)条例に反対。戦時国際法は有事に生命を守るものとしては問題がある。国の見解からも宣言は非現実的であり、制定した自治体はない。12,312人の平和への強い願いは受け止める。
共産党(節木議員)憲法の平和主義に基づくもので自治体が戦争非協力を貫くことに有効である。12,312人の署名には大津市民の願いがこめられている。住民の安全を守る地方自治の本旨にかかわることであり、積極的に賛成する。

(傍聴参加者感想)「悲しくて涙が出た。二つに一つ。条例を作って幸せなのか不幸せなのか聞きたい」(女性)「攻めてみたいという園田議員の発言は許せない。抗議し撤回を」(多数)

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政新会・園田議員の暴言に抗議を! 発言を撤回させよう!
 「そういうところ(無防備地域)があったら攻めてみたい」

園田寛議員は、委員会最終の会派代表としての意見表明の中で、無防備条例を否定するために、あろうことか「(無防備地域は)格好の攻撃材料である。私であっても、なんかそういうところがあれば、攻めてみたい」と暴言を吐きました。武装していない地域は、攻撃し殺すという好戦論丸出しの論理です。会場の傍聴に来ていたPTA会長から、あなたの言っていることは、下校中の無防備な女の子は襲うということと一緒だ」と非難の声があがりました。全くそのとおりで、住民を保護するのではなく、相手を攻撃の対象としてしか見ず住民を殺戮するイラクの米軍と同じ立場であることを明らかにした発言です。この発言は、個人が冗談として言ったのではなく、有権者の付託を受けた市会議員として不見識極まりない発言であり、また委員会という公式の場での発言であるため、断じて許すこのできないものです。そして、また、政新会代表としての発言であるので、政新会しての見解も質すことも含め、会として抗議し、発言の撤回を求めます。
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◎園田議員発言に抗議を!
ハガキ・手紙「〒520-8575大津市役所議会事務局気付   
ファクス 077-521-0409(大津市議会事務局)
大津市ホームページ市民の声 http://www.city.otsu.shiga.jp/voice/index.htm

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議会傍聴 採決 12月22日(木) 
14時~ 13時30分市役所新館1階ロビー集合

☆☆☆無防備地域宣言を実現するつどいにご参加を!☆☆☆
12月23日(金)14時~ 明日都浜大津4階小会議室
基調と今後の取り組み
報告 (仮題)国民保護法は対テロ戦を支える戦争体制づくり~福井国民保護実働訓練から~ 桝田氏(全国ネット)

☆☆以下は、抗議文です。☆☆

                          
大津市議会議長         様
大津市議会総務常任委員長    様
政新会幹事長         様
大津市議会総務常任委員 園田寛様
大津市議会事務局長      様

                     無防備地域宣言をめざす大津市民の会
                      共同代表     川端 諭
                                 大山 修司

12月19日、大津市平和・無防備都市条例案が総務常任委員会で審議された。
 各会派討論において、政新会の園田寛総務常任委員は、「非戦論者の私でさえ」と前置きし、(無防備宣言地区は)「格好の攻撃材料」であり、「なんかそういうところがあったら攻めてみたい」と発言した。この発言は、議会の品位をおとしめるものであり、下品極まりない。断じて許すことはできない。
 発言の撤回はもとより、12,312名の署名をした市民と全ての市民に対して謝罪を要求する。
 園田委員の発言は、条例の審議内容とは無関係な、まさに好戦勢力そのものの発言に他ならない。
 「攻撃する」先には多くの人々の生活があり、生命が存在する。「攻めてみたい」との発言は、決して許されるものではない。この発言は、街中を歩く女性や下校途中の幼い女の子を「襲いたい」と言っているに等しい。
 以下の点に回答されるとともに、具体的に対処されたい。

                            記

1. 政新会及び園田委員宛
園田委員の発言は、政新会としての討論であったのかどうか、明らかにされたい。
 本会議での謝罪と発言の撤回を政新会あるいは当該委員に対し要求する。
 
2. 総務常任委員会委員長宛
 不適切な発言は制止すべきであり、発言の撤回と謝罪を要求すべきであるが、いかがお考えか。

3. 議長宛
 大津市議会の品位をおとしめるものであり、議長は当該委員に対し、謝罪と発言の撤回を求めるべきである。いかがお考えか。

4. 議会事務局宛
 当該委員の発言を大津市当局としていかがお考えか、見解を示されたい。
 大津市として謝罪と発言の撤回を求められたい。

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2005年12月11日 (日)

条例請求代表者意見陳述

条例制定請求代表者意見陳述 05年12月9日(金)大津市議会本会議にて

大山修司 → 「ikenooyama.doc」をダウンロード

加門敦子 → 「ikenkamon.doc」をダウンロード

西谷靖男 → 「ikennishitani.doc」をダウンロード

中川哲也 → 「ikennakagawa.doc」をダウンロード

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2005年12月 6日 (火)

市長意見書と会の見解

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        市長意見書に対する当会の見解
                                 2005/12/5
                      無防備地域宣言をめざす大津市民の会

 12月5日(月)に開会された大津市議会本会議で、目片市長は「今回の請求に際して
の国際平和を願う市民の熱意は十分に理解する」としながら、平和・無防備都市条例制
定に反対を表明しました。これは、市民の平和と安全への願をふみにじり地方自治体の
責務を放棄するものと言わざるを得ません。

市長意見書の反対の理由は、
(1) 平和宣言を行い、平和実現や非核三原則についての姿勢や考え方を明らかにしてい
る。また平和的生存権や文化財保護についても、憲法前文や文化財保護法において規定
されており、あらためて条例を制定する必要はない。
(2) 無防備地域宣言は、国の見解によると「防衛に責任を持つ当局、すなわち、我が国
においては、国において行われるべきもの」で「地方公共団体が当該宣言を行うことは
できない」。
(3) 本市に現に自衛隊施設が存在し、災害時の復興支援等を行って頂いているところで
あり、地域社会の一員として果たす役割は大きく、無防備地域の要件を満たす地域とな
ることは考えられない。
 以上3点から、条例制定の必要性は認められず、また地方自治法第14条第1項(自治体
の権限に属する事務に関し条例制定できる)の規定に抵触するので制定は適当でない、
と結論付けました。

 
(1)について
 非核三原則について、条例案では遵守を確認するにとどまらず、平和宣言当時は想定
し得なかった劣化ウラン兵器も含め非核三原則遵守と大量破壊兵器廃絶のための市とし
ての措置(声明、抗議等)を明示し、平和宣言に実効性を持たせる内容としています。
文化財保護については、国の法律や市条例ともジュネーブ条約追加議定書第53条(文
化財への攻撃の禁止)に基づく戦火から文化財を守ろうとする.規定はないため条例にお
いて具体化したものです。
平和的生存権はこの条例案の目的であり、その目的達成のために無防備地域宣言および
平和行政を定めるものであって、本条例案の根幹をなすものです。そもそも、憲法の規
定を自治体が市民の平和と安全を守るために実体化する条例を制定することは、何の問
題もありません。また、自民党の新憲法案では「平和的生存権」が削除されており、こ
うした状況の中では平和的生存権を実現するための条例を制定するのは自治体の責務で
あります。
市長意見書は、規定の再確認にとどまらない市の責務としての措置の明示をしている条
例案を意図的に無視しているとしか思えません。

(2)について
 ジュネーブ諸条約第一追加議定書第59条2項は、紛争当事国の「適当な当局」が無
防備地域宣言をできると規定しており、「国家」に限定していません。赤十字国際委員
会の解説集では「町長、市長、知事といった地方民政当局から出されることがありうる
」と明記しており、「国しかできない」というのは、日本政府の赤十字国際委員会の公
式解釈を無視した見解にすぎません。国の見解は法令ではなく、市長は住民の安全を守
るために何が必要かを判断すべきです。
 意見書では、市が行うべきものでないので地方自治法に抵触すると言っています。し
かし、「市の事務ではない」という根拠は国際的に非常識な日本政府の勝手な見解にす
ぎません。地方自治法第1条の2では自治体の事務を「住民の福祉」を基本とし「地域
における行政を自主的かつ総合的に実施」と規定し、国については「本来果たすべき役
割を重点的に担い」「住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねる」として
います。有事の際の住民の生命・財産を守ることは自治体にとって最優先事項であり「
住民の福祉の増進」そのものであり、「住民に身近な行政」そのものです。従ってこの
条例案が市の事務であることは明白であり、地方自治法に抵触するどころか、その主旨
を実現するものです。現に、神奈川県大和市は自治基本条例において第6条で「法令の
自主解釈」を定め、国の見解に頼ることなく地方自治の主旨に即した解釈と運用を行う
とし、第29条で「米軍厚木基地の移転」を設け、一部「国防政策」に踏み込んだ条例を
制定しています。大和市でできて大津市でできないことはありません。市長は、なんら
根拠のない政府見解の引き写しでなく自治体首長として住民の平和と安全に責任を持つ
立場から、この平和・無防備都市条例を制定すべきです。

(3)について
 市長意見書の「無防備地域の要件を満たす地域となることは考えられない」という文
言は、住民の平和と安全を第一に考えるのでなく、武力を行使する戦闘集団である自衛
隊の存在が第一義的であるという考えかたに立っており、本末転倒というべきものです

 そもそも、本条例案は市民の平和的生存権を、憲法と国際法の文民保護の規定に基づ
いて実現しようするものであり、我が国における自衛隊の存在を否定したり、自衛隊の
活動を制限することを目的とはしていないことは、条例案から明らかです。上記目的の
達成ための方策として国際法に規定する無防備地域の要件を満たすように、戦時におい
て本市が無防備地域宣言を行うに当たって機能停止を求めると規定しているだけです。
つまり、平時に自衛隊が存在していても、戦時においては戦闘員と移動用兵器の市域か
らの撤去を求めるということなのです。
 自衛隊はその任務を自衛隊法第3条で国に対する侵害排除としており、主任務は戦闘
です。ですから、本条例の想定する有事となれば、住民を保護するわけでも災害の復興
をするわけでもありません。鳥取県の住民避難シュミレーションでは「我々は侵害排除
が仕事。住民避難は自治体と警察で」として「作戦行動の邪魔にならない限りにおいて
しか道路は住民に使わせない」と自衛隊第8普通科連隊長は明確に言っています。従っ
て、平時では災害復興で一定の役割を果たしているとしても有事では武力を行使する戦
闘集団となり、市長意見書にいう市の期待する役割は担えないことは明らかです。

 以上、市長意見書は、本条例案の制定主旨やジュネーブ条約第一追加議定書の文民保
護の主旨ならびに憲法98条の条約遵守義務を理解しないものであります。市長と市当
局ならびに市議会議員には、住民の平和と安全を守る立場に立って、賢明な判断と議会
審議をお願いします。

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12/5大津市議会提出 市長意見書
                意 見 書

 この直接請求に係る条例案(以下「本件条例案」という。)は、日本国憲法の平和主
義の理念、政府の掲げる非核三原則、ジュネーヴ条約などの国際人道法及び本市の平和
都市宣言に基づいて、平和行政及び無防備地域宣言について定め、市民生活の平和と安
全、歴史と文化を守ることを目的として(第1条)、市民の平和的生存権(第3条)、非
核三原則の遵守(第4条)、無防備地域宣言(第5条)、市の責務(第6条)、文化財の
保護(第7条)、平和行政の推進(第8条)及び平和予算の計上(第9条)について定め
ようとするものである。

本市では、昭和62年6月に市議会の議決を経て、ふるさと都市大津恒久平和都市宣言を
行い、その中で、恒久平和の実現を願い、国是である非核三原則を堅持し、世界連邦平
和都市宣言とともに核兵器廃絶をめざし、核戦争防止を強く訴えており、平和の実現や
非核三原則についての本市の姿勢や考え方を既に明らかにしているところであり、改め
て平和の実現に向けた本市の責務や非核三原則の遵守について、条例で定める必要はな
いと考える。

 また、本件条例案で規定する平和的生存権については、本件条例案前文にもあるとお
り、我が国の最高法規である日本国憲法の前文において確認されているところであり、
文化財の保護についても、文化財保護法(昭和25年法律第214号)及びこれに基づく条
例の規定により、保護を図っていくものであることから、改めて条例で定める必要はな
いと考える。

 さらに、無防備地域宣言については、敵対する紛争当事国による占領に対して開放し
、特別な保護を受ける地域として宣言するものであるが、国の見解によると、その宣言
は、当該地域の防衛に責任を有する当局、すなわち、我が国においては、国において行
われるべきものであり、地方公共団体が当該宣言を行うことはできないとされている。
 したがって、地方公共団体である本市が当該宣言を行うことを条例化することは、地
方公共団体はその権限に属する事務に関し条例を制定することができるとする地方自治
法(昭和22年法律第67号)第14条第1項の規定に抵触するものであると考える。

 また、本市には現に自衛隊施設が存在し、災害時の復興支援はもとより、当該施設が
有する組織、装備、能力を活かした様々な活動を行っていただいているところであり、
地域社会の一員としてその果たす役割は大きなものがあることから、本市はジュネーヴ
条約所定の無防備地域の要件を満たす地域となることは考えられない。

 以上のとおり、本件条例案による条例制定は、その必要性は認められず、また、地方
自治法第14条第1項の規定に抵触するもので、適当でないと考える。

 なお、世界の恒久平和は人類共通の願いであり、市民の平和と安全を確保することは
国及び地方公共団体の最も重要な責務であって、今回の請求に際しての国際平和を願う
市民の熱意は十分に理解するところである。本市としては、今後とも、平和都市宣言に
基づき、平和事業や国際交流などに取り組み、市民一人ひとりに平和の願いとその尊さ
を訴え、広く人々に平和を希求する心がはぐくまれるよう、積極的に努力してまいりた
いと考えている。

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